陽ノ下 光

ごく普通の高校生

しかし、彼女には人には言えない秘密があった

それは……

実は彼女は改造人間だったのだ 

ルビーエンジェルひかり
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それは、彼女が中学3年生の夏休みの夜、陸上部だった彼女は家に帰る途中だった。
「こんなに遅くなっちゃった!早く帰らないと!」
「イーーーー!」
「キャーーーッ!」

突然、光の前に、宇宙人らしき人が5人現れた。
全身黒ずくめで不気味に光る目が恐怖を増大させる。
その宇宙人が一斉に襲いかかってきた!

「イーーーー!」
「やめてぇぇぇぇぇ!」

次々に感じる痛みと共に、光の意識は次第に薄れていった。

「……ううん……こ、ここは!」

光は目を覚ました。
光はまわりを見て驚いた。
部屋中に無数のディスプレイと巨大なコンピュータ、そして見たこともない異様な機械。

「わ、わたしは……!!!」

そして、自分の姿を見て衝撃を受けることになる。
光はベッドで寝かされていたのだが、両手両足が鉄の輪のようなもので固定されていた。
そして、自分の体に無数のコードが刺さっていたのだ。

「気がついたのね、陽ノ下さん」

光は目の前に、白衣の女性がいた。

「あなたは誰!なぜ私の名前を!いったい、わたしに何をしたの!」
「私の名は、九段下 舞佳。地球防衛研究所の主任研究員をやっているのよん」
「地球防衛研究所?」
「知らなくて当然よねん……国連で極秘に設置された機関だからね」
「なんの目的に?」
「最近、地球征服を狙っている宇宙人がいるの……ここは、それを防ぐための兵器等を開発する所なのよん」
「じゃあ、ここは地球防衛研究所?」
「そう、そしてここは私の研究室なのよん」

「なんで私がここに?」
「あなたにはそれを説明しなければいけないわね……宇宙人に襲われたのは覚えているわね?」
「はい、そこから記憶がまったくなくて……」

「実は陽ノ下さん……あなたは殺されたの」

「うそ……」
「私は殺されたあなたを研究所に連れてきて生き返られたの……でも……」
「でも……」

「……あなたを改造人間として生き返らせたの……

「!!!」
「もはや、あなたを生き返らせるにはその方法しかなかったの……」

光はショックを隠し切れなかった。
自分は一度死んでいる。
しかも生き返った自分は半分機械の改造人間なのだから。

「なぜ!なぜ、そこまでして私を!私をどうしようとするの!」
「陽ノ下さん、なぜあなたが襲われたかわかる?」
「ただ私がそこにいたから……」
「違うの、最初からあなたを狙っていたの」
「!!!どうして……」
「実は、あなたには宇宙のエネルギーを操る力があるの」
「私に……そんな力が……」
「宇宙人はあなたの力を恐れていたの……あなたが力に目覚める前に殺そうとしたの」
「そんな……」
「でも、私はあなたを改造人間にすることで、その力を目覚めさせることに成功したの」

「……まさか……」
「そう……あなたにその宇宙人と戦って欲しいの……」
「そんな……私は……いままでの私はどうなるのよ!」
「大丈夫、普段はは普通の中学生として暮らせばいいの。いざというときに変身すればいいのよ」
「でも……私が改造人間だとわかったら……まわりの人は……」

「両親にはこのことは話したわ、ショックみたいだけど理解してくれたわよ」
「!!!」

「あなたにも理解者が必要でしょ……他の人には言うつもりはないわ」
「……」
「私たちのお願い……きいてくれる?」

光は悩んだ。
改造人間になってしまった自分には、もはや普通の人間としての人生は送れない。
できることなら、普通の人間に戻りたい。しかし、もはや叶わぬ夢だろう。
しかも、両親にも知られてしまっている。もはや引くに引けない状態になってしまっていたのだ。

「……わかりました……」
「……辛いとは思うけど……」
「……はい……」
「……戦いが終わったら……できる限りの償いはするから……」

その後、陽ノ下 光は地球を守るための技を習得するために1週間特訓を受けることになる。

そして、光は1週間ぶりに家に帰ってきた。

(お父さん、お母さん……私を見て、どう思うのだろう……改造人間になった私を……)

光は家に入るのを躊躇していた。両親の顔をみるのが怖かったのだ。

(何迷っているの、光!……自分で決めた事じゃない!……勇気持たなきゃ!)

光は自分に言い聞かせいるように、家に入った。

「ただいまぁ……」
「おかえり、光」

研究所から光が帰るとの連絡をもらっていた両親が玄関で待っていた。

「お父さん、お母さん……」
「なに、そこで立っているの?早く入らなきゃ」
「うわあぁぁぁぁぁん!」

光は母親の胸に飛び込んで泣いた。

「わたし……わたし……ううっ」
「なに言ってるの、改造人間だろうが何だろうが、光は私の娘よ」
「でも……もう、普通の人間じゃないんだよ、わたし……」
「最初は私たちもショックを受けたわよ……でも、死ぬよりもましと思うようにしたの」
「お母さん……」
「自分の娘が地球を守る正義の味方なのだから、わしも誇りに思うようにしたんだ」
「お父さん……」
「何があっても、私たちは光の味方だ、心配するな」
「ありがとう……」

「感動の対面のようだが、それがお別れの対面だな」
「!!!」

後ろを向くと、道路に黒マントの男が立っていた。

「まさか、生きているとはな……」
「あなたは誰なの!」
「我々は、ブランディア星人……地球を征服しに来た」
「そんなことさせないわよ!」
「我々の計画におまえは邪魔だ……ここで死んでもらう!行け!」
「イーーーーー!」

光を襲った宇宙人が10人が一斉に襲いかかってきた。

「光!」
(地球を征服する敵……そして、私をこんな体にした元凶……許せない……絶対に許せない!)
 
ピカーーーッ!
 
突然、光が紅い光に包まれた。
そして、その光が消えたところには、近未来的なコスチュームに身を包んだ光の姿があった。

「地球の平和を守るため!みんなの幸せ守るため!正義の使者ルビーエンジェル只今参上!」

「光……」
「てめえ、なめたまねしやがって……構わずやっちまえ!」
「イーーーーー!」
「サンダーストーム!」
「なにぃ!」

グォーーン!ドカーン!

戦闘員に向けた光の手から突風が吹き出した!
さらに、戦闘員に向かって雷が襲いかかる!

「イー……」

一瞬にして、戦闘員は全滅してしまった。

「そんな、馬鹿な……」
「次はあなたの番ね!」
「ちくしょう……作戦を練り直さないといけないな……さらばだ!」

黒マントの男はいつの間にか消えていた。

残されたのは、変身したままの光と光の両親だけだった。

「ううっ……ううっ……」

光はその場でひざまずき泣いていた。

(私はやっぱり改造人間なんだ……戦いを義務づけられた改造人間……もう普通の人間じゃない……)

ブランディア星人と戦って、自分の運命を改めて知ることになった光は、その運命に泣いていた。

「光……」
「お父さん……」
「光、格好よかったぞ、さすが私の娘だ」
「……」
「光、疲れたでしょ、早くおふろに入ったら」
「お母さん……うわぁぁぁぁぁん!

光はまた母の胸の中で泣いていた。

その後、ブランディア星人の動きはいったん収まったように見えた。
しかし、光が高校生になったとき、再び攻撃を再開した。
光は正義の使者ルビーエンジェルとしてブランディア星人と死闘を繰り広げることになる。
ピンチの場面も幾度もあったが、九段下 舞佳の助けもあり勝利を納めることができた。

そして、光がひびきの高校2年生になったある春の日。

「光!」
「ごめん、公二くん……こんなところに呼び出したりして……」

光は高校の屋上に来ていた。
光が呼んだのは主人 公二、光の幼なじみで小学校2年のとき引っ越したものの、高校になってひびきのに戻ってきたのだ。
光は公二と離れた7年間、彼のことを想いつづけていたのだ。

「光、大事な用事ってなんだ?」
「公二くん……私、あなたに話さなければいけないことがあるの……」

ブランディア星人との死闘も終結し、地球防衛の任務も解除された。
しかし、光は改造人間のままだった。

(公二くん……私が改造人間だって知ったら……嫌われるかもしれない……)
(でも、言わなくてはいけない……公二くんには、本当のわたしを知ってもらいたいから……)
(だって、公二くんのことが好きだから……神様……私に勇気をください!)

「光……」
「公二くん……実はわたし……」


ピカーーーッ!
 
 



END


後書き 兼 言い訳

ヒーロー物のSSってよくあります。
この場合女性はヒーローの恋人か、セーラームーンみたいなタイプの変身をします。

ところでヒーロー物の中で異質のヒーロー物があります。
仮面ライダー系統のヒーローものです。
初代仮面ライダーはショッカーに改造された人造人間、そもそも敵の兵器だったのです。
本郷剛は、自分は本来敵の兵器だったことと、自分は改造人間であることで苦悩するわけです。(たしか)
苦悩するヒーローは仮面ライダー系のヒーローしかいません。
 
そういえば、女性が苦悩するタイプのヒーロー物ってないな、
ときメモでつくったらどうなるだろう?
ということで、ひかりんが改造人間になってしまいました。

自分としては、苦悩するひかりんを書きたかったので、戦闘シーンや異常にあっさりしています。
っていうか、戦闘シーンうまく書けなかった。(/-.-)/

エンディングについていろいろ意見はあると思いますが、こんなパターンもありでしょ、ということで勘弁してください(笑)


(どうでもいいことですが、ご参考までに)
舞佳さんは研究員が本職で、アルバイトは仮の姿という設定でした。
光の戦闘服は、電脳部のっとりイベントで伊集院メイが着ていた衣装見たいなのを想定して書いてました。

(これは再公開にあたってはそんなに修正はしていません)

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